【葛飾区】紙芝居師を育ててみない? 金町こころみ亭で「公開紙芝居道場」開催 指南役募集中!
たびたび号外NETに情報提供をくださる金町の紙芝居小屋「こころみ亭」さんより、またまた面白そうなイベントのお知らせをいただきました。
あ、今回は紙芝居なんだ~♪ と思いながらお邪魔すると、え!?
そんな呑気なイベントじゃありませんでした!
観て楽しい、だけじゃない! 育てる喜び「紙芝居道場」
こんにちは~、とやってきました金町すずらん通り。和菓子屋さんの看板が目印の「こころみ亭」さんの前で、道行く人に声をかけている方に遭遇しました。
「入場無料ですよ、紙芝居観ていきませんか?」
と言いながらフライヤーを配っているこの方が、紙芝居修行中の「善ちゃん」さんです。
この日お誘いいただいたイベントは、なんとこのようなものでした!
【公開紙芝居道場】
紙芝居(大人用・子供用)好きな人、集まれ!
紙芝居を無料で見て、
意見を聞かせてくださ~い!
紙芝居を無料で見て、まではわかりますよ。「意見を聞かせて」ってどういうこと!?
善ちゃんさんにお話を伺ってみました。
「私、まだ修行中なんです。実はこの紙芝居道場は、見ていただいた方に『もっとこうした方がいい』というご意見を伺って、一人前になれるよう皆さんに育てていただこう! というイベントなんです。」
え~!? そんなイベント、初耳です。そうか、「道場」というのは演じられる方にとっての「道場」なんですね。びっくり!
お邪魔すると、小屋主さんと数名のお客様。ここにいる全員が指南役となるわけですね。こ、これは緊張します…!
熱い意見が飛び出す、鑑賞後ディスカッション
席に着くと、観て気づいたことをどんどん書いてくださいね、とアンケート用紙を渡されました。わぁ…なんか審査員っぽい(笑)。
ほどなくして、真打ち登場です!
おぉっ先ほどの善ちゃんさん、ビシッと決まってますね! そして演目はなんと「曾根崎心中」…ってあの、浄瑠璃のあれですか!?
紙芝居ってそんな演目もあるんですね。これはまさに大人のためのエンタテイメント!
それでは、始まり始まり~♪
と、紙芝居師らしくまずは自己紹介の口上から始まります。そこから「曾根崎心中」へと、するりと展開。善ちゃんさん、男性、女性、悪い奴と声色を使い分け、まるで別人みたいです。
このクオリティをさらに指南って、ちょっと、レベル高くないですか!?
ひととおり物語を楽しんだと思ったら、この会はここからが本番。
「まず口上なんですけど、ちょっと笑ってもらおうと思って…」と、善ちゃんさんからアドバイスを求めて来られます。え~充分面白いのに…と何も言えない筆者をよそに、お客さんからは
「もっとテンポが良いほうがいいんじゃないかな」
「韻を踏んだら面白いと思います」
などと、本格的な意見がどんどん飛び出すではありませんか!
出された意見を即座に取り入れ、「では…」と演じ始める善ちゃん。わ~さっきと全然違う(汗)。
この調子で話は本編へ、個々の役柄の演じ分けへ…と、ディスカッションがどんどんヒートアップ。紙芝居というよりは、なんだか一人の紙芝居師が育つまでのドキュメンタリーを観ている気分です。
これは面白い!
「仕事から身を引いて時間ができたとき、何かボランティアをしようと思ったんです。で、紙芝居はどうかなぁと。
ゆくゆくは大人の紙芝居をもって、老人保健施設なんかを回って披露していきたいと思っているんですよ。」
と、あとで善ちゃんさんに伺いました。ちなみに紙芝居はもちろん、お芝居などの経験もまったくなかったそうですよ。
どんなこころみも実現できる場所へ 金町「こころみ亭」
この「公開紙芝居道場」は毎月第2火曜日、定期的に開催されているそうです。2022年内は11月8日(火)と12月13日(火)の開催が予定されていますよ。
今回の紙芝居修行は善ちゃんさんおひとりでしたが、数名いらっしゃる時もあるそうです。観るだけでなく自分も紙芝居を読んでみたい、という方も気軽に相談してください、とのことです。
お問い合わせはホームページからどうぞ。
またイベント情報などはFacebookのグループページで公開されているようです。
大したことは何も言えなかったけど、お客さんと演者さんの真剣なやり取りを見ているだけでも、何か大切なものを教われた気がする…そんな気持ちでこころみ亭をあとにした筆者でした。
こころみ亭さん、善ちゃんさん、貴重な体験をありがとうございました!